小二の息子が軽度のASD(自閉スペクトラム症)と診断されました。
それに伴い、病院の先生から通級を勧められたので学校に相談しました。
通級って何?
通級による指導(つうきゅうによるしどう)とは、日本の義務教育における特別支援教育の制度の一つで、通常の学級で学習しながら、通常の教育課程に加え、又はその一部に替えて個別的な特別支援教育を受けることの出来る制度である。
通級とは、小学校や中学校に設けられる「通級指導教室」の略称です。
通常学級に在籍しながら特別な支援が受けられる制度のことで、軽度の障がいやグレーゾーンと呼ばれる子どもが特性に応じた特別な指導を受けられます。
基本的には他の生徒と共に通常学級で過ごしますが、週に数時間決められた枠で通級教室に移動し、指導を受けます。
対象となる児童
通常学級に在籍し、おおむね学年相応の学習に参加できるが、LD・ADHD等の発達障がいや、知的障がいを伴わない自閉症(息子はこれに該当します)、情緒障がい等による学習上・生活上の困難を改善するための特別な指導を必要とする生徒が対象です。
例えば具体的な困りごとの例をあげると、
・集中力が続かない
・落ち着きがない
・気持ちの切り替えが苦手
・計算は得意なのに漢字は覚えられない
・人と関わるのが苦手
など、授業中や学校生活でこのようなことにに困っている子たちが対象となります。
通級による指導の対象となる児童生徒は、以下の9つの障害者になります。
①弱視者
②難聴者
③肢体不自由者
④病弱者・身体虚弱者
➄言語障害者
⑥情緒障害者
⑦自閉症者
⑧学習障害者
⑨注意欠陥多動性障害者
なお、通級による指導の対象には、知的障害者は含まれていません。それは、通級による指導の対象者は、障害の程度が軽微であり、一部特別の指導を行うことで学校生活での適応が可能となる程度の児童生徒であるからです。
学べること
障がいに応じた”自立活動”を行います。
自分なりのできる方法を見つけたり、自分の特性を理解して効果的に練習したり、環境にうまく働きかけたりするなど、自分の力を可能な限り発揮して、主体的に取り組もうとする力や態度を育てます。
必要に応じて教科の内容を取り扱いながら自立活動に取り組むことができます。
・使いやすく工夫した教具を授業でうまく活用する練習
・気持ちの整理の仕方を身につける
・将来を見据えた目標設定や振り返りを通して自己理解を深める
・場面に応じた伝え方をロールプレイで学ぶ
・苦手な言葉を話しやすくするための練習
通級による指導の目的は、通常学級での学習の遅れを取り戻すことではありません。
必要に応じて教科の内容を取り扱いながら自立活動に取り組むことはありますが、周囲や子ども自身が自分の特性を理解し、得意な部分を生かして苦手なことを補うための具体的な方法を学ぶことで、学習上・生活上の困難を和らげることが目的となっています。
いつ行うの
教科課程(時間割)に通級による指導を加えたり、一部変更したりします。
※障がいの状況に応じて月1回~週8回の範囲
教科課程の一部を変更して通級による指導を行う場合、同じ曜日の同じ時間帯の教科が欠けることになり、その時間帯に行われている通常学級の学習には参加できなくなってしまいます。
そこで通常学級と通級では連携を取り、学習に遅れが出ないよう配慮してもらえます。
本人、保護者の願いをふまえて「個別の教育支援計画」「個別の指導計画」を作成し、計画的に取り組みます。
利用する流れ
これは学校によって様々だと思います。
まず私は担任の先生に電話で通級による指導を受けたいです、と相談しました。
すぐに通級の先生との面談を組んでいただき、放課後学校へ足を運んで30~40分の面談を受けました。
発達検査の結果・診断書などの書類を提出し、通級の先生、通常学級の担任の先生と三人で息子の普段の様子などを話しながら指導計画書を作成しました。
面談の2日後くらいに通級の先生から電話連絡があり、木曜日の4時間目が通級による指導の時間と決定しました。
週一回一時間から始めましたが、必要に応じて時間を増やせるし、また必要ないと思えばいつでも通級をやめることができるそうです。
どんなことをやるか
うちの学校では通級用のファイルが作られ、そこに毎回のトレーニング内容や通級の先生からのメッセージが書かれています。
・寝るトレーニング
(体を動かさず30~40秒程度じっとする)
・見るトレーニング
(点つなぎ)
・聞くトレーニング
(お話、絵本を読み聞かせて内容を問う)
・覚えるトレーニング
(絵カード10枚で短文を作る、カードを隠し思い出す)
・体をつかう時間
(ぞうきん競争、マット引きなど体幹を鍛える運動)
毎回一時間でこの中の4項目くらいをトレーニングしています。
特別支援学級(支援級)との違いは
どちらも障がいのある子どもへの特別支援教育の一つで、障がいのある子どもが学習や生活で感じている困難を克服するための授業を提供するという大きな目標は共通しています。
大きな違いといえば、通級の場合は通常学級に在籍している必要があり、支援級の場合は、支援級に在籍している必要があります。
支援級の場合は基本的に支援級で受ける授業の割合が多くなり、通級では通常の学級で受ける授業の割合が多くなります。
通級では教科の内容を取り扱うことは少ないみたいですが、支援級の場合は教科学習も行うので落ち着いて自分に合ったペースで勉強ができます。
また、通級指導教室は小学校、中学校、高等学校に設置されているのに対して、特別支援学級は小学校と中学校のみに設置されています。
まとめ
通級による指導を受ける児童生徒の障がいの状況は多様です。
ひとりひとりの障がいの状況に合わせた指導を行ってもらえる通級指導教室はとても良い支援制度だと感じています。
うちの息子は通級に通いだしてまだ3週ほどしか経っていないので、目に見えた変化や成長はまだ感じられていませんが、何より本人がとても楽しく通級に通ってくれていることが嬉しいです。
通級でSST(ソーシャルスキルトレーニング)を強化してもらい、息子の困難が少しでも減り、得意が伸びるといいなと思います。